こんにちは。尼崎市のスイートピー行政書士事務所、行政書士の荒木聖子です。
親が亡くなり、実家をどうするか考えなければならなくなったとき。
「もう住む人はいないけれど、売ってしまっていいのかな」
「兄弟で何から話し合えばいいんだろう」
「空き家にしておくのも心配。でも、まだ気持ちの整理がつかない」
そんなふうに迷うこともあると思います。
実家には、ご家族の思い出がありますよね。
片づけをしていて写真や食器が出てくるだけでも、手が止まってしまうことがあるでしょう。
簡単に決められるものではありません。
ただ、気持ちの整理を待っている間にも、期限のある相続手続きや、家の管理は必要になります。
今回は、実家を相続したときに、何から確認すればよいのか。
売る、住む、貸すという選択肢を、どんな順番で考えればよいのかをお話しします。
実家をどうするか決める前に
家のことが気になると、先に売却価格やリフォーム費用を調べたくなるかもしれません。
その前に、確認しておきたいことがあります。
遺言書は残されているか
法律上の相続人は誰か
実家の土地と建物は誰の名義か
預貯金など、ほかの財産はどれくらいあるか
借入金や未払いの支払いはないか
「父の家だから、父の名義だと思っていた」
ところが、登記を確認したら、おじいさまの名義のままだった。
よくある話です。
また、相続するものは家や預貯金だけではありません。
借金なども確認が必要です。
「誰が実家を相続するか」
遺言書がなく、相続人が複数いる場合は、原則として相続人全員で遺産の分け方を話し合います。
たとえば、実家を一人が相続し、ほかの方は預貯金を受け取る方法があります。
実家を売却して、費用を差し引いたお金を分ける方法もあります。
家を取得する方が、ほかの相続人にお金を支払って調整する「代償分割」という方法もありますが、
支払うための資金が必要です。
ここで考えていただきたいのは、家の金額だけではありません。
誰かが住み続けたいのか。管理をする人はいるのか。固定資産税や修繕費を、これから誰が負担するのか。
そこまで話しておくと、相続した後の暮らしをイメージしやすくなります。
共有名義にするなら、その後のことまで話しておきましょう
「とりあえず兄弟で半分ずつにしておこう」
一番公平に見えますが、共有にすると、家全体を売る際には原則として共有者全員の同意が必要です。
一人は売りたい、一人は残したい。
そうなると、話が進まなくなることがあります。
さらに、共有者が亡くなると、その持分が相続され、関係する人が増える可能性もあります。
共有を選ぶ場合は、管理や費用の負担、将来売却するときの考え方まで、最初に話しておくことをおすすめします。
何を確認すればいい?
売却するなら「いくらで売れるか」と「いくら残るか」を確認します
住む予定がなく、通って管理することも難しい。そうであれば、売却は一つの選択肢です。
ただ、査定で出た金額が、そのまま手元に残るわけではありません。
仲介手数料や登記費用のほか、状況によっては測量、家財の片づけ、解体などの費用がかかります。
売却によって利益が出れば、税金がかかる場合もあります。
「この金額で売れそうです」という話を聞いたら、
あわせて「費用を引いたら、どれくらい残りますか」と確認してください。
相続した空き家の売却には、税金の特例を使える場合もあります。
条件や期限がありますので、売却の話を進める段階で確認しておくと安心です。
自分や家族が住むなら、直す費用と暮らしやすさを見てみましょう
「実家なら、家を買わずに住める」
そう考えていても、屋根や水回り、給湯器などの修繕が必要になることがあります。
住み始める前に、雨漏りや耐震性、設備の状態を確認し、
どこまで直す必要があるか見積もってもらいましょう。
通勤や通学に無理はないか。これから年齢を重ねたときにも暮らしやすいか。
ご家族の生活に合うかどうかも大切です。
家を受け継ぐことと、そこで無理なく暮らせることの両方を考えてみてください。
賃貸にするなら、家賃から出ていくお金も計算しましょう
実家を残しながら家賃収入を得られたら、と思う方もいらっしゃるでしょう。
賃貸を考えるときは、その地域で借りたい人がいるか、いくらくらいの家賃が見込めるかを確認します。
そのうえで、貸す前の修繕費、管理費、固定資産税、保険料などを計算してください。
入居者が決まらない期間や、貸した後に設備が故障することも考えておく必要があります。
尼崎市内でも、駅までの距離や建物の状態によって条件は変わります。
信頼できる不動産会社の方などに実際の家を見てもらい、収支を確認してから判断しましょう。
まだ決められないときも、空き家の管理は必要
すぐに結論が出なくても構いません。ただ、誰も住んでいない家を、
そのままにしておくことは避けたいところです。
雨漏りに気づかないまま傷みが進んだり、庭木が隣の敷地まで伸びたりすることがあります。
ご家族で次のことを決めてみてください。
誰が、どれくらいの間隔で家を見に行くか
税金や管理費を誰が支払うか
いつ頃、売却や活用についてもう一度話すか
「しばらく残す」と決めるなら、その間の管理方法も一緒に決めておきましょう。
家の方針が決まらなくても、相続手続きの期限は確認
ここは、先に確認していただきたいところです。
相続放棄は、原則として3か月以内
相続放棄は、原則として、ご自身のために相続が始まったことを知った時から3か月以内に、家庭裁判所で手続きをします。
借金がありそうな場合や、財産の状況が分からない場合は、早めに専門家へ相談してください。
財産を処分すると相続放棄に影響することもあるため、判断前に確認しましょう。
[相続放棄:裁判所のHPより](https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_13/index.html)
相続税の申告・納付は、原則として10か月以内
相続税の基礎控除は、次の式で計算します。
3,000万円+600万円×法定相続人の数
たとえば、法定相続人が2人なら4,200万円です。
申告・納付が必要な場合の期限は、原則として、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。[相続税がかかる場合:国税庁HPより](https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4102.htm)
相続登記も「落ち着いてから」で済ませないようにしましょう
2024年4月1日から、相続登記が義務化されています。
原則として、相続の開始と、その相続によって不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内に申請する必要があります。
2024年4月1日より前に相続して、取得したことも知っていた不動産は、原則として2027年3月31日までに対応が必要です。
「ずっと親の名義のまま」という家がある方も、一度確認してみてください。
相続登記の申請代理は司法書士の業務です。弊所では提携司法書士の先生をご紹介させて頂きます。
[法務省の案内](https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00565.html)
何から始めるかを一緒に整理しましょう
相続のことを調べていると、知らない言葉が次々に出てきますよね。
戸籍、遺産分割協議書、相続登記、相続税……。
結局、うちは何をすればいいの?」と思われた方も多いと思います。
スイートピー行政書士事務所では、相続人や相続財産の調査、相続についての遺産分割協議書の作成などの手続きをお手伝いします。
登記は司法書士、税金は税理士、相続人同士の争いや交渉は弁護士が担当します。ご相談を伺いながら、信頼できる先生をご紹介します。
相談する前に、すべての書類をそろえる必要はありません。
分からないことは、分からないままお話しいただいて大丈夫です。
「実家を売るかどうか、まだ決めていません」
「兄弟に話す前に、必要な手続きを知りたいです」
そんな段階でも、ご相談ください。
実家をどうするかは、ご家族のこれからの暮らしに関わることです。
思い出も、費用も、管理の負担も大切にしながら、納得できる方法を考えていきましょう。
尼崎市で実家の相続や相続手続きにお悩みの方は、スイートピー行政書士事務所へお気軽にご連絡ください。