はじめに
「がんです」と医師から告知された時、受け入れがたい現実を宣告された時、
これからどうしていくのかについて、
今回、そのような方に少しでもお役に立てるような記事を書いていきたいと思います。
1. 終活とは?がん告知後に考える意味
「終活」とは、人生の最終段階に向けて準備をする活動のことです。財産や遺言の整理だけでなく、医療の希望や家族への思い、葬儀の希望などを整理していく活動です。
がん告知をされてから終活を考えるメリット
精神的な不安の軽減
家族への負担を減らす
自分の望む医療・介護を明確に伝えられる
「自分らしい最期」を自分自身で選べる
2. 医療・介護に関する希望を明確にする
がんの進行によっては、自分の意識がはっきりしない状態になることもあります。
そのときのために、医療や介護に関する意思表示をあらかじめしておくことが大切です。
① リビングウィル(事前指示書)
延命治療の希望や拒否、人工呼吸器、胃ろうなどの医療行為に対する希望を文書で残すものです。
② 任意後見契約
判断能力が低下したとき、信頼できる人に医療や生活の判断を任せる契約を
公正証書で結ぶことができます。
③ 緩和ケア・ホスピスの検討
治癒を目的としない「苦痛を和らげる医療」を希望する人は、
緩和ケアやホスピスなどを早めに相談しておくとよいと思います。
3. 財産と相続の準備をする
① 財産目録の作成
自分の財産(預金、不動産、保険、株など)を整理し、
エンディングノートや台帳にまとめておくことで、家族がスムーズに対応できます。
② 遺言書の作成
遺言は、自筆で残すこともできます。
ただ自筆証書遺言は、失くしたり、無効になるリスクも高いです。
信頼性が一番強い「公正証書遺言」を作成しておくことで、
相続トラブルの防止につながります。
4. 日常生活と死後の手続きを整理する
① 重要書類の保管場所を明確にする
通帳・印鑑
不動産登記簿
保険証券
マイナンバーカード・年金手帳
② 死後事務委任契約の検討
独身や子どもがいない場合など、家族以外に
死後の手続き(火葬・納骨・住居、施設の解約等)を依頼したい方は、
行政書士、弁護士などの士業や信頼できる第三者と死後事務契約を交わすことができます。
5. 葬儀やお墓の準備も「自分らしさ」を
① 葬儀の希望を伝える
一般葬、家族葬、直葬
宗教形式の有無
葬儀の時の音楽や遺影、会場など
② お墓・納骨・散骨などの準備
家族墓・永代供養墓・納骨堂・樹木葬・海洋散骨など
自分の希望を記しておくことで、家族も安心して送り出せます。
6. 残りの時間でやりたいことに向き合う
がんを宣告されたことをきっかけに、「やり残したこと」を整理することは、
心の安定にもつながります。
・会いたい人に会う
・訪れたかった場所に行く
・手紙や動画でメッセージを残す
・写真・アルバムを整理する
・エンディングノートをまとめる
7. 終活は「今をよく生きる」ための準備
終活とは、単なる死の準備ではありません。
「残された時間をどう充実させるか」という生き方の整理です。
「家族のために準備しておきたい」
「自分の意思をきちんと伝えておきたい」
「やりたいことを最後までやりきりたい」
あなたの意思は、きっとこれからもあなたがいなくても生きていかなくてはならない
家族や周囲にとっても大きな安心と感謝の種となります。
おわりに
がんと診断されることは例えようがなくつらい事だと思います。
それでも人生を見つめ直し、周囲への感謝を伝え、
「自分らしい生き方」を選び取ることもできます。
少しずつ準備をしながら、今の時間を大切に生きていくために
お手伝いさせて下さい。
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